青山や原宿、新宿、本郷など一歩裏へ入ると、その土地のイメージとはかなり違った"まち"がみられます。
狭い公園で終日幼児を遊ばせる母親には、"下町的庶民"の親近さがみられます。
こうした裏まちにはまた、いまどきびっくりするような店もにあります。
なつかしいイメージそのままのお米屋さんや雑貨屋さん・・・。
衣料品を店先に並べて、奥では数人で餅菓子をつくるという信じられないような光景さえみられます。
・・・これが東京の奥深さともいえるでしょう。
さて、いまや東京の郊外部は、中央線でいえば三鷹、武蔵境からはじまり、高尾までひろがっています。
さらに伸びて相模湖から大月に伸びているとする見方さえにあります。
西南方向でみれば横浜の郊外部と完全に重なり、鎌倉、逗子から藤沢、茅ケ崎、平塚へと伸びています。
一流企業に勤める夫は、そこそこのゴルフクラブの会員権をもち、妻がテニスクラブに所属する場合もあり、子供たちは私立の有名校に通っています。
国産の高級車か外車をもち、休日には夫婦または家族つれでドライブ旅行の機会も多いです。
映画や演劇、音楽会や美術展も話題になるものはひと通り見たり、聴いたりします。
レストランやすし屋、そば屋、割ぽう店、喫茶店などの情報には精通し、家族づれや友人などと利用する機会も多いです。
食料品など日常のショッピングはデパートか、紀の国屋など高級スーパーとありきたりのスーパーを上手に使い分けます。
ファッション衣料を中心とする買回品のショッピングは数多い都心の専門店やデパートを上手に買い回ります。
日常生活には意外に厳しい面をもちながら、生活の楽しみや生活の質の豊かさのためにはかなり思い切ったお金の使い方をするという賢い主婦の姿が浮かび上がってきます。
・・・ライフスタイルをいい現わす言葉としては"ハイセンス"、"情報高感度"、"生活エンジョイ"、"カルチャーライフみなどがあるでしょう。
地理的な範囲でみる現在の下町はかつての日本橋、京橋、上野、浅草、本所などではなくなっています。
・・・いわゆる下町の範囲は、江東、墨田、江戸川、葛飾、足立にまでひろがっています。
同じように山の手の地理的な範囲もかつての麹町、麻布、赤坂、本郷などから新宿、渋谷、世田谷、中野、杉並、目黒、さらには武蔵野、三鷹などの市部にまでひろがりをみせています。
全体としての生活水準の向上、交通の発達、"分を守るという価値観"に代わる"人並み意識"や"個性化"の価値観の浸透は、地理的な範囲がひろがるのと逆に、かつての典型的な下町的ライフスタイル、山の手的ライフスタイルを消滅の方向に向かわせているのです。
そして、下町、山の手に変わるライフスタイルとして、ハードコア中心部と郊外という2つの大きなグループが浮かび上がってきています。
中心部コアの住民は大別すると富裕な層と豊かでない層とに分けられます。
前者の典型的イメージは都心部の中・高級マンション居住者であり、後者のイメージは公営アパートか木賃民間アパートと結びついています。
比較的豊かなコア住民のライフスタイルを思い浮かべてみましょう。
白を基調にしたしゃれたリビング、機能的で清潔感溢れるキッチン(外国製のシステムキッチンはそのシンボルです)、ムードのあるベッドルーム、食卓の雰囲気を盛り上げる食堂などが住まいの情景です。